ハイヌミ先生の小説(ライトノベル)「君は死ねない灰かぶりの魔女」についてのご紹介です。


僕は魔法使いの弟子。
ボロ屋で一緒に暮らす「お師匠さま」は、世界有数の魔法使い、を自称している。どう見てもただの引きこもり女子だけど―。
僕なんかと背中合わせで本を読み、料理中の僕を眺めるのが好きな変わり者だが、授業では鮮やかな魔法を見せてくれる。
穏やかな生活は幸せで―。
だが、ある日、不老不死の呪いに悩む別の魔女に告げられた。
師匠は、世界を救い呪いを受けた13人の最高位の魔女の一人で、呪いを癒す能力を持つのは、世界で僕だけ!?


上記が公式サイトのあらすじです。
こちらの本作、元はやる夫系と呼ばれるSSが元になっています。
やる夫系というのはAAを漫画のような形式で掲示板に投稿する作品のことで、有名どころだとアニメ化されたゴブリンスレイヤー等がそれに当たります。
やる夫系では主人公がやる夫という5chのキャラクターである事が多く、小太りでハゲ頭のためにWeb連載時では「白頭と灰かぶりの魔女」というタイトルでした。
ノベライズ版ではさすがに小太りのハゲ頭を主人公に出来なかったのか、可愛い系のショタに改変されています。
その他、キャラクターの名前や容姿が大きく異なっているので、原作を読んでいた方はやや混乱するかもしれません。
やる夫系である事とノベライズによる変更があるという前置きはここまでにして、本筋について触れていきましょう。

本作の肝は、タイトルにもある「死ねない灰かぶりの魔女」となっています。
呪いを受けた13人不老不死の魔女が登場するのですが、主人公だけが呪いの影響を受けません。
呪いのせいで孤独な生活を送っていた魔女たちは、その事に気づくと主人公を確保しようと動き始めます。苛烈な呪いを受けている魔女ほど執着心が膨らみ始め・・・。
それとは別に、魔女を根絶やしにしようとする教会も動き出し、大きな争いへ繋がっていきます。
魔女たちの呪いはそれぞれ違っていて、大体が生き地獄となっています。
この一作目ではまだ全ての魔女は出てきませんが、作中で最も過酷な呪いを受けた乖離の魔女に焦点を当てた内容となっており、とりあえずこの一巻だけで合う合わないの評価が定まるところまで話が進んでいます。悩んでいる方は一巻だけ試しに読んでみてはいかがでしょうか。

本作は462ページあり、鈍器と呼ばれる森博嗣の小説に近しい厚さがあります。
挿絵も多く、コミカライズ版も既に始動していて出版社も力を入れているなぁ、という印象です。
私としても2020年のヤンデレで一番良かったのでぜひ一読をお勧めします。
原作最新話まで全部読んでるんですが、かなりの分量があるので波長が合ったら長いこと楽しめると思います。
ちなみに私は魔女の中だと無痛ちゃんと転換ちゃんが好きです。